ここまでペルーやアジアの強豪マレーシアなど予選全てを5-0の完勝で勝ち上がってきた。相手は世界トップクラスのフランス。先行はフランスのカンクー小。松濤館らしい体を大きく使いダイナミックでスポーツ的な形と、回転が早く、突きと蹴りを主体とする分解。さすがの出来栄えはノーミスで演武を終えた。
続く日本は伝統のアーナン。2008年に東京世界選手権で世界一となった女子団体形の遺伝子を受け継ぐ佐久本門下の3人がナショナルチーム所属6年にしてついに、この決勝の場にたどり着いた。
この上村の蹴りで会場は最高潮に
静かに、丁寧なアーナンは見るものに呼吸を忘れさせる。しかし分解に入ると一気に目まぐるしく技術が交錯する。この形と分解の静から動への緩急ち構成力に会場が一気にヒートアップした。
沖縄空手の武術性を匂わせる、鎖骨への抜手や目つき、金的など地味ではあるが一撃必殺の禁じ手を多く盛り込む彼らのアーナンと、体育的で見た目の華やかさを追求するフランスの形という対照的な戦いとなった決勝。判定は5-0の文句無しで日本の勝利。ここまで一本も相手に旗を許さず、完勝での優勝となった。
MVPに選ばれた喜友名と清水
さらに今大会からMVPが発表され、日本からは女子形世界チャンピオンの清水希容と喜友名諒が選ばれた。また、今回選手委員会の投票も行われ、見事喜友名が当選。世界空手連盟選手委員会委員へ入閣した。