平成28年12月10日、東京武道館にて第44回全日本空手道選手権大会団体戦が行われた。昨年と変わり、決勝戦まで初日に行われ、各都道府県を代表する選手たちが一堂に会した。
男子団体組手では世界チャンピオン・荒賀龍太郎率いる京都が、団体組手が始まった平成20年以来無敗の9連覇達成に期待が集まった。
緒戦の注目となったのは、渡邊大輔、香川幸允ら日本代表を2枚擁する東京と、篠原浩人、船橋真道など、こちらも全日本ナショナルチームクラスが揃う大阪の準々決勝。
渡邊と篠原が先鋒戦でぶつかり、渡邊が上段蹴りを決めるなどして5-0と先制勝利。
次鋒は佐合尚人と船橋の戦いとなり、ここは船橋が上段突きを2回決め2-0で勝利。
1勝1敗で向かえた中堅戦は、東京の水村春輝に大阪は今尾光。今尾が突きで先制したが、水村が今尾のダッキングに上段蹴りを上手く合わせ3ポイント。ここから流れが変り上段突きを立て続けに決めた水村が6-1で勝利。
後のない大阪は副将に工藤開、東京は香川。重量級同士の戦いは、見応えはあったが決め手にかけ0-0で引き分けとなった。得失点で大きく引き離された大阪の大将は葭矢雄太。対する東京は飯作雄太郎。葭矢が上段突きを決めるなどして勝利するも3-1と得点で届かず。
東京が京都との準決勝へ駒を進めた。
東京と京都の準決勝。先鋒はここまで大将に座り出番の無かった荒賀龍太郎に、東京は渡邊。
気を吐く渡邊が惜しい攻撃をしかけるも、徐々に荒賀が対応し、中段突きで流れを引き寄せると、残り5秒で裏回しを決めるなどして5-0とまずは京都が一勝。
続く京都の釜口幸樹に、東京の佐々木秀也が善戦するも、旗を上げきらず2-1で京都が2勝目。中堅の京都の中野壮一郎に東京・水村が上段突きで先制したが、中野が上手さを見せ、カウンターで追いつき、さらに残り0秒で突きをきめ2-1で3勝目。
京都がここまで引き分け一つ、黒星無しで決勝へ進んだ。
男子団体組手準優勝の茨城
国体を控える茨城と京都の決勝戦。京都の先鋒・釜口に茨城は全日本強化選手に所属経験もある長谷川裕介。刻みを得意とする長谷川だが、長身の釜口に攻めあぐね、2分過ぎに上段突きを被弾。これが決まり手となり先鋒戦は1-0で京都がまずは一勝。
続く次鋒は京都の中野に茨城は浅野彗大。時間半分を過ぎたころに中段の差し合いを中野が制しポイントリード。さらに刻みを加え2-0となったが、浅野も執念の突きで残り15秒でポイントを1ポイント返す。しかし、これで時間切れをなり京都が9連覇へ王手をかけた。
中堅は京都の大西英輝に茨城の福田裕樹。福田の攻撃の隙を縫う完璧なタイミングのカウンターを重ね、ここでは大西が横綱組手。5-0で圧倒し、2枚を残し京都の9連覇を決めた。
荒賀選手の他はみな大学生が選ばれた京都チーム。まだまだ底の見えない実力は、来年の10連覇の金字塔を予感させる。
また女子団体組手では、世界チャンピオン植草歩とアジアチャンピオンの多田野彩香を擁する千葉が、京都との決勝戦を1ポイント差で勝ち2年ぶりの優勝となった。
なお、明日は日本武道館にて男女個人組手、男女個人形が開催される。
男子個人組手展望
女子個人組手展望
男子個人形展望
女子個人形展望
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女子団体組手
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男子団体組手
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女子団体組手優勝の千葉
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女子団体組手準優勝の京都