空手ジャーナル|KARATEJOURNAL

沖縄空手、競技空手の最新ニュースと技術を紹介

59歳からの空手道

59歳からの空手道VOL.1


正直言って自分が空手を始めるなんて夢にも思わなかった。

中学生の頃ブルース・リーに憧れたことはあったが(あれはカンフーか)、どちらかというと格闘技は苦手な方だった。
しかし最近入学した大学院のゼミに空手の日本代表プランニングディレクターが偶然いたことで、空手を始めることになるのだから人生ってやっぱり面白い。

今年8月、私とプランニングディレクターのまっちゃんこと松下尚道さんは、2人で飯を食べながら終わったばかりの東京オリンピックについてあれこれと話していた。
その中で話題が空手の形になると、「清水希容選手のあんなに力強く美しかった演武がなぜサンドラ・サンチェス選手に負けたのか」が議論となった。

私は決して空手のファンではないのだが、清水選手と男子の喜友名諒選手の演武には、その立ち姿の凜々しさや清々しさ、そして何より演武の美しさに魅入られていたのだ。

まっちゃんの解説になるほどと思いながら、私はつい余計な一言を口走ってしまった。
「空手ってこの歳からでも出来るものかな」
その時まっちゃんの目がキラリと光ったのを私は覚えている。

「じゃあ始めましょう。まことさん(筆者)に合いそうな道場をこれから探しますね」
そう言うとまっちゃんは私の住所を聞いてスマホで検索を始めた。
そして「あ、ここがいいかも」とスマホの画面をかざして見せてくれたのが「松涛館流拳心会悠喜塾」だったのだ。

「あ、いや、やはり組み手とか怖いし、怪我するの嫌だし」
そう私が躊躇すると、まっちゃんはニヤリと笑って「大丈夫ですよ。ここは形がメインだし、師範は女性で子どもも多く、まことさん位の年齢の方も多いそうです。何より自分の後輩もここで教えています」と早速、電通の社員だというその後輩に電話し出した。

そして後輩(加藤さん)と話し終えるとまっちゃんは「火曜日と日曜日の夜、武蔵小山の目黒区立中央体育館で空手教室をやっているそうなので、まずは見学してみてはどうですか」と有無を言わせぬ突破力で詰め寄ってきた。
「まあ見学くらいなら行ってみるか」
こうして私の空手道は始まったのである。
(続く)

松涛館流拳心会悠喜塾
http://www.kenshinkai.net/yukijuku/

鈴木款
https://www.fnn.jp/search/author/鈴木款
政治経済を中心に教育問題などを担当。「現場第一」を信条に、取材に赴き、地上波で伝えきれない解説報道を目指します。著書「日本のパラリンピックを創った男 中村裕」「小泉進次郎 日本の未来をつくる言葉」、「日経電子版の読みかた」、編著「2020教育改革のキモ」。趣味はマラソン、ウインドサーフィン。2017年サハラ砂漠マラソン(全長250キロ)走破。2020年早稲田大学院スポーツ科学研究科卒業。

フジテレビ報道局解説委員。1961年北海道生まれ、早稲田大学卒業後、農林中央金庫に入庫しニューヨーク支店などを経て1992年フジテレビ入社。営業局、政治部、ニューヨーク支局長、経済部長を経て現職。iU情報経営イノベーション専門職大学客員教授。映画倫理機構(映倫)年少者映画審議会委員。はこだて観光大使。映画配給会社アドバイザー。

google

-59歳からの空手道
-