女子個人形決勝は清水希容(前年度優勝:ミキハウス)と大野ひかる(九州地区:大分市消防局)の戦い。清水は世界を2連覇した伝家の宝刀チャタンヤラクーシャンクーを演武。いつも通りのキレアジの良さに、鋭い目つけ、また独特のタメのあった今回の清水のチャタン。これに大野はパープーレンで対抗。鍛え込まれた剛柔流の基礎基本がベースとなった、粘り気とストーリーのあるこちらも素晴らしい形。微妙な判定に感じたが、結果は清水が無失点で優勝。4連覇を達成。「自分自身を成長させてくれるチャタンヤラクーシャンクーで優勝できてホッとしている」と語った。
男子個人形は喜友名諒(前年度優勝:龍衛流龍鳳会指導員)が今回も圧倒的アーナンを披露。突きの一つ、掌底の一つが空気を震わせ、その振動は武道館3階席まで納得させる。まるで残像が残るような残心と緩急で観客の集中力を保つ。まさに完成されたアーナンにさすがの新馬場のチャタンも上手くいっているように見えたものの5-0と圧巻の5連覇達成となった。
2連覇達成で涙を浮かべた植草歩
女子個人組手は植草歩(前年度優勝:高栄警備)と山田沙羅(学連:大正大4年)の決勝。植草の「予選では調子が悪くて一本も決まらなかったが、自信を持って出した中段」が山田を綺麗に捉え、まずは植草が先制。そこからは、世界チャンピオンらしい、時間とルール、コートを巧みに利用し、山田の動きを封じ、植草歩が2連覇を達成した。世界大会でもコート上では涙を見せなかった植草が、今回は勝利の瞬間に涙。並々ならぬ努力と覚悟が垣間見えた。
男子個人組手決勝は昨年と同様、荒賀龍太郎(前年度優勝:荒賀道場)と篠原浩人(大阪:セレ・ナス)の戦い。開始とともにぐっと間合いを詰めた篠原が様子見で出した前足の蹴りに荒賀がすかさずカウンターで差し込み先制。さらに2分が過ぎた頃に中段の差し合いで審判は荒賀を支持。残り7秒で投げを見せて荒賀を転ばし、見せ場を作った篠原であったが、これはC2。あえなく時間切れとなり荒賀が3連覇歴代タイ記録の5回目の優勝となった。
-
-
男子組手
-
-
男子形
-
-
女子組手
-
-
女子形
-
-
4連覇達成の清水希容
-
-
5連覇達成の喜友名諒