【WKF】ヨーロッパ選手権終了 アガイエフ優勝10回の偉業達成!
2016/05/18
5月5~8日に行なわれたヨーロッパ選手権。国別の結果は開催地フランスが金メダル6個で1位となったが、種目ごとではどうか。今大会の結果から、10月の世界選手権にむけ日本のライバルとなるヨーロッパ勢をチェックする。 ●女子組手● 団体組手はアゼルバイジャンが初優勝を果たしたが、個人では実績のある選手が盤石な印象。特に-50kgは、ルチア(フランス)とセラップ(トルコ)の両選手が期待を裏切らない強さでトップに居座る。現在日本の1番手と目される多田野彩香は、まだ両選手との対戦はないが、世界選手権、はたまたその前のプレミアリーグでの顔合わせがあるのか!? また+68kg、フランスのフローレンティンが初代表で初優勝。植草歩のライバル、イブラヒムは今大会では個人ではなく団体組手の出場で主軸として活躍したが、10月の世界選手権にはフローレンティンとイブラヒムのどちらが+68kgの代表として選ばれるのか。より混沌としてきたと言えよう。 ●男子組手● 兎にも角にもヨーロッパ選手権で10度のチャンピオンに輝いたアガイエフはまさにレジェンドの域に達した。技に昔のような意外性は無いものの、力強い中段カウンターを主軸にしっかりと勝ち上がった印象。 団体組手では、優勝したフランス、加えて注目したいのが団体組手準優勝のトルコだ。個人でも新旧の融合が進み、総合力を上げている。 トルコは+84kgのエネス、-60kgのカヤは健在、他の階級では前回の世界選手権から世代交代が進み、今大会は世界アンダー21でメダルを獲得した選手が代表として活躍している。-67kgの2015アンダー21世界チャンピオンであるブラクはいまひとつの成績に終わったが、-75kgの2013世界アンダー21王者・エルマンは、団体決勝で左右どちらの構えからでも上質な刻み、前足の蹴りでポイントを荒稼ぎ。個人は決勝でアガイエフ(アゼルバイジャン)に抑えられたが、いよいよ世界のトップクラスに名乗りを上げた。 そして、荒賀龍太郎の階級・-84kgのアクタスが遂にヨーロッパ選手権を優勝。2015年の世界アンダー21を制した期待の星は、準決勝でタナス(ギリシャ)に8-0で勝利するなど、ビッグネームにも対抗できる力を見せた。昨年から主要大会で必ずメダルに絡む安定感もある。 9月3~4日にはKARATE1プレミアリーグ・イスタンブールオープンを開催するトルコ。主要選手がこぞって参加することが予想され、イスタンブールオープンは日本にとって注目度の高い大会となりそうだ。 ●形● スペインが全種目で決勝進出、男女個人形と女子団体形の金3つを獲得した。女子形でヨーロッパ選手権連覇となったサンチェスがさらに進化を続けている。技の見せ方はピカイチ。4月のドバイオープン、今回のヨーロッパ選手権と直近2大会では決勝形を代名詞のパープーレンからチャタンヤラクーサンクーに変えて、新たな面も見せている。 団体形では男女とも現世界王者が決勝で敗れた。いずれも明らかなミスが見えてしまった。一つのズレが命取りとなる拮抗した勢力図であることは間違いない。加えて、団体形でも予選でどの国にどの形を当てるかの戦略がより高度になっていくことが見込まれる。 【大会結果はこちら】 https://www.sportdata.org/wkf/ausschreibungen/76/Results.pdf 【決勝戦の映像はこちら WKF公式youtube】 URL:https://www.youtube.com/watch?v=Vc8A-RdVY7g URL:https://www.youtube.com/watch?v=0BLyax3HvQQ URL:https://www.youtube.com/watch?v=gJZesa076Yk (text by =Punchman)